純米吟醸酒 遊穂(ゆうほ) [御祖(みおや)酒造]

石川県に生まれ41年、20代の頃から地元のお酒に強い憧れと興味があったので色々な地元酒造の酒を
呑んできたつもりだが、今回、ご紹介頂いた酒は恥ずかしながら初めて知ることになりました。
御祖酒造、代表作は「ほまれ」ということだが、それすらも知らなかった。そして今回、口にしたのが
新銘柄「遊穂(ゆうほ)」一応、蔵元さんからの説明とお酒のラベルに記載されているお酒の特徴を
理解したうえで呑んでみた。

情報では石川県を代表する銘柄によくある「キレのあるスッキリとした味わい」とは正反対の味わいに
仕上げているのが特徴で和食よりも肉料理や中華料理に合うとのことなので、単純にイメージするのは
米の旨みを凝縮したパンチの強い味わいなのかと思いながら、最初の一口を味わう。

正直に書きますと、一口目、残念ながらイメージしていたガツンとくる感じではなく、どこか丸みの
ある言葉を選らばなければ平凡な味わい可も無く不可も無くそんな感じだった。
でもね・・・よくキャッチコピーで使われるあれだったんですよ!!

「羊の皮を被った狼」

せっかくなので中華料理に合うと説明にあるので、2年待ちで届いた餃子が丁度あったのでそれと
遊穂(ゆうほ)を合わせてみることにした。確かにこってりした味わいとは合うが圧倒的な組み合わせ
ではない。でね、最後に私が愛用している国産ラー油 山田製油の「ごまらあ油」を多めに入れた
タレに餃子をくぐらせ口に含み遊穂を流し込んだ時、狼に化けました。
そもそも香りの良いラー油ですが、その香りを一層引き立てるんです。それで確信したのが味の濃い
食べ物との組み合わせではなく正確には刺激の強い物との組み合わせが、このお酒とは相性が良いの
だと思います。辛味とか苦味とか酸味、いわゆる危険な味に対して実に相性がいいのだと・・・

基本、石川県のお酒は上品な和食に合う味わいが特徴なことを考えると、明らかに性格が正反対な
お酒であることは間違いないです。
なので自分なりの解釈ですが中華料理や肉料理に合わせるというよりも、香辛料の効いた料理や
香りの強い素材との相性が抜群なのでしょう。中華料理では山椒、唐辛子の効いた麻婆豆腐とか
肉料理ではスパイスシーな豚や羊のグリル、チーズであれば山羊系のブルーチーズなんかと合わせる
ことで実に奥深い味を楽しめるお酒ではないでしょうか。
あと、あえて和食と合わすなら、、、こってりソース味のお好み焼きなんかがよろしいかと。
石川県のお酒でありながら石川らしさを感じさせない「味」そんな魅力の詰まった1本でした。

720ml 1491円
原料米 麹米:山田錦  掛米:美山錦
御祖酒造